MALEVOLENT CREATION（マルヴォレント・クリエイション）とは？フロリダ・デスメタルを象徴する孤高の存在

MALEVOLENT CREATION（マルヴォレント・クリエイション）とは？バンド結成から現在まで
1. MALEVOLENT CREATIONのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
アルバム紹介：デスメタル史におけるMALEVOLENT CREATIONの影響

MALEVOLENT CREATION（マルヴォレント・クリエイション）とは？バンド結成から現在まで

MALEVOLENT CREATION（マルヴォレント・クリエイション）は、1987年にアメリカ合衆国・ニューヨークで結成されたデス・メタル・バンドです。結成当初はスラッシュ・メタルの要素を色濃く持ちながらも、より攻撃的で残虐性を強調したスタイルを志向していました。その後、デスメタル・シーンの中心地であったフロリダ州タンパへと拠点を移し、同地域で活動していたCANNIBAL CORPSEやDEICIDE、OBITUARYなどと並び、フロリダ・デスメタル・シーンの代表格として頭角を現しました。

1991年にリリースされたデビューアルバム『The Ten Commandments』は、暴力的なリフとスラッシュのスピード感を融合させたサウンドで、デスメタルの名盤として高い評価を獲得しました。暴力的な歌詞、精緻なリフワーク、圧倒的なドラムが融合した本作は、同時代のバンドとの差別化に成功し、MALEVOLENT CREATIONを世界のデスメタル・シーンへと押し上げました。

90年代を通じてバンドは『Retribution』（1992）、『Stillborn』（1993）、『Eternal』（1995）などの作品を発表し、ブルータルかつスラッシーなデスメタルを深化させていきました。メンバー交代を繰り返しながらも、彼らの音楽性は一貫して攻撃性とスピードを追求するものであり、ライブ活動でもその圧倒的な存在感を証明しました。フロリダ・デスメタル・シーンの中でも、よりストレートでアグレッシブなスタイルを持つ孤高の存在として評価されました。

2000年代に入ってもMALEVOLENT CREATIONは精力的に活動を続け、『The Will to Kill』（2002）、『Doomsday X』（2007）といった作品で現代的なブルータリティを打ち出しました。度重なるメンバーチェンジや音楽シーンの変化にも揺らぐことなく、バンドは一貫して過激なデスメタルを追求し続けたのが特徴です。

バンドは活動の中で度重なる困難に直面し、中心人物であったブレット・ホフマン（Brett Hoffmann）<Vo>が2018年に逝去するという大きな悲劇も経験しましたが、メンバーの脱退や方向性の変化を経ながらも、残ったメンバーがヴォーカルを兼任しながら活動を続けています。

MALEVOLENT CREATIONは、その生涯を通じてデスメタルというジャンルの「過激さ」と「ブルータリティ」を徹底的に体現したバンドです。彼らのサウンドは後続のデスメタルやブルータル・デスメタル・バンドに多大な影響を与え、フロリダ・デスメタルを語る上で欠かせない存在となりました。結成から解散に至るまでの軌跡は、デスメタル史の中でも特に重要なページとして記録され続けています。

MALEVOLENT CREATIONのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■フィル・ファシアーナ（Phili Fasciana） – Guitar（1987～）
■ロン・パーマー（Ron Parmer） – Drums（2020～）
■ジェシー・ジョリー（Jesse Jolly） – Bass/Vocal（2024～）
■クリス・カンネラ（Chris Cannella） – Guitar（2025～）

【過去メンバー】
■デイヴ・X（Dave X） – Bass
■ジョー・シュネッセル（Joe Schnessel） – Drums
■ジェイソン・ブラコヴィッツ（Jason Blachowicz） – Bass（1987、1989、1991～1997、2005～2007、2010～2016）、Vocal（1995～1997）
■デニス・クーバス（Dennis Kubas） – Drums（1987）
■マーク・シンプソン（Mark Simpson） – Drums（1987～1991）
■ジョン・ルービン（Jon Rubin） – Guitar（1987～1990、1993～1996、2005～2008）
■ジム・ニックレス（Jim Nickles） – Guitar（1987）
■ブレット・ホフマン（Brett Hoffmann） – Vocal（1987～1993、1998～2001、2006～2016）
■グレッグ・セイント・ジョン（Greg St. John） – Bass（1989）
■スコット・オーデル（Scott O’Dell） – Bass（1989）
■リー・ハリソン（Lee Harrison） – Drums（1989）
■マーク・ヴァン・アープ（Mark Van Erp） – Bass（1990～1991）
■ジェフ・ユシュキェヴィッチ（Jeff Juszkiewicz） – Guitar（1991）
■アレックス・マルケス（Alex Marquez） – Drums（1992～1994）
■ロブ・バレット（Rob Barrett） – Guitar（1992、1997～2005）
■ラリー・ホーク（Larry Hawke） – Drums（1993）
■デイヴ・カルロス（Dave Culross） – Drums（1995、1998～2001、2003～2004、2007）
■デレク・ロディ（Derek Roddy） – Drums（1996～1997）
■ジェイソン・ホーガン（Jason Hagan） – Guitar（1996～1997）
■ジョン・ポール・ソアーズ（John Paul Soars） – Guitar（1997）
■ゴードン・シムズ（Gordon Simms） – Bass（1998～2005）
■カイル・シモンズ（Kyle Symons） – Vocal（2001～2006）
■ジャスティン・ディピント（Justin DiPinto） – Drums（2002～2003、2014～2016）
■トニー・ラウリーノ（Tony Laureano） – Drums（2003）
■マルコ・マーテル（Marco Martell） – Bass（2007～2008）、Guitar（2007～2010）
■ファビアン・アグイーレ（Fabian Aguirre） – Drums（2007～2010）
■ジオ・ジェラーカ（Gio Geraca） – Guitar（2009～2016）
■ガス・ライオス（Gus Ríos） – Drums（2010～2014）
■ジョシュ・ギブス（Josh Gibbs） – Bass（2017～2024）
■フィリップ・キャンシラ（Philip Cancilla） – Drums（2017～2020）
■リー・ウォーレンシュラエッガー（Lee Wollenschlaeger） – Guitar/Vocal（2017～2020）
■ライアン・テイラー（Ryan Taylor） – Guitar/Vocal（2020～2022）
■デロン・ミラー（Deron Miller） – Vocal/Guitar（2022～2024）