バンド紹介

ULCERATE（ウルセレイト）は、2000年にニュージーランドのオークランドで結成された、アヴァンギャルド／テクニカル・デス・メタル・バンドです。高度な演奏技術と不協和音を多用した作曲、そして重苦しい雰囲気に満ちた音像で知られており、ジャンル内外で高い評価を受け、彼らはGORGUTS、NEUROSIS、DEATHSPELL OMEGAなどと比較されることの多いバンドです。

初期はBLOODWREATHという名前で活動していましたが、初期メンバーが脱退し新たに2002年にULCERATEへ改名し、本格的な活動を開始します。2003年から2006年にかけて、数枚のデモ音源を発表し、その中でも2004年の『The Coming of Genocide』はアンダーグラウンドで話題を集め、バンドの知名度を高めるきっかけとなりました。

2007年にデビューアルバム『Of Fracture and Failure』をリリースします。この作品は複雑なリズムと暗黒的なサウンドを特徴としており、バンドの方向性を明確にしました。

2011年の『The Destroyers of All』では、よりアトモスフェリックでドゥーミーな要素を取り入れ、ULCERATE特有の混沌とした世界観を深めています。この時期から、バンドは「デスメタルの枠に収まらない芸術的な存在」として、アヴァンギャルド・メタル界でも注目されるようになります。

2013年にはRelapse Recordsから『Vermis』をリリースします。このアルバムは、極端に緻密なドラミングと不安定なコード進行、圧倒的な音圧が融合した傑作として評価され、ULCERATEは国際的なフェスやツアーにも参加するようになります。

2016年の『Shrines of Paralysis』では、人間存在の虚無や苦悩をテーマに、さらに表現力が増しています。テクニカルでありながら感情的な深みも感じさせる構成で、多くのメタルメディアから高評価を得ました。

2020年には、ULCERATEにとって6作目のスタジオアルバム『Stare into Death and Be Still』がリリースされました。この作品は、それまでの冷たく非人間的な作風から一転し、感情の深層に訴えかけるような美しさと破壊性が共存する作品となっています。音楽的にも、より有機的なアプローチが見られ、新たなフェーズを示しています。

2024年には『Cutting The Throat Of God』をリリース。不協和音を主体としたアヴァンギャルドなデスメタルを展開。暴虐なサウンドの中にもアンビエントやドゥ―ミーな不穏さがみなぎる最高傑作といっても良い作品です。

現在もバンドは精力的に活動を続けており、テクニカル・デス・メタルとアヴァンギャルド・メタルの最前線を走る存在として、世界中のリスナーに強い印象を与えています。