ドゥーム・メタルの美学：CATHEDRAL（カテドラル）の音楽的進化を追う

CATHEDRAL（カテドラル）とは？元NAPALM DEATHのリー・ドリアンが率いた異端のドゥーム・バンド
1. バンドメンバー
アルバムごとに見るCATHEDRALの進化
The VIIth Coming（2002）
Endtyme（2001）
Caravan Beyond Redemption（1998）
Supernatural Birth Machine（1996）
The Carnival Bizarre（1995）
The Ethereal Mirror（1993）
Forest Of Equilibrium（1991）

CATHEDRAL（カテドラル）とは？元NAPALM DEATHのリー・ドリアンが率いた異端のドゥーム・バンド

CATHEDRAL（カテドラル）は、1989年にイギリスで結成されたドゥーム／ストーナー・メタル・バンドです。バンドの創設者は、元NAPALM DEATHのフロントマン、リー・ドリアン（Lee Dorrian）<Vo>です。彼は、グラインドコアの中心的存在から一転し、よりスローでヘヴィな音楽性を追求するためにCATHEDRALを立ち上げました。

結成メンバーには、CARCASSのローディーを務めていたマーク・グリフィス（Mark Griffiths）<Ba>、そして元ACID REIGNのギャリー・“ギャズ”・ジェニングス（Garry “Gaz” Jennings）<Gt>が加わり、ドゥーム・メタルの重厚な世界観と70年代ハードロックの影響を融合させたサウンドを確立しました。

CATHEDRALは1991年にデビューアルバム『Forest of Equilibrium』をリリース。この作品は、スローで沈鬱なリフと絶望感に満ちた雰囲気を前面に押し出した正統派ドゥーム・メタルの傑作として高い評価を受けました。その後、1993年の2nd『The Ethereal Mirror』では、よりキャッチーでサイケデリックな要素を取り入れ、リフ中心のグルーヴィーなストーナー・サウンドへと変貌。続く3rdアルバム『The Carnival Bizarre（1995）』や4thアルバム『Supernatural Birth Machine（1996）』などでも、ヘヴィでありながら祝祭的なムードを漂わせる独自の音楽性を打ち出しました。

2000年代に入ってからも、『Endtyme（2001）』や『The Garden of Unearthly Delights（2005）』など、原点回帰的なドゥーム・メタルを基軸としつつも多彩な音楽性を展開し続けました。そして2013年、最後のアルバムとなる『The Last Spire』をリリースし、CATHEDRALは正式に解散を表明しました。この作品はデビュー作に通じる暗黒美学を持ち、バンドの幕引きにふさわしい内容となっています。

解散後、リー・ドリアンは自身のレーベルRise Above Recordsの運営に専念しつつ、LUCIFERやWITH THE DEADといった新たなプロジェクトでも活動を継続しています。一方、ギャズ・ジェニングスも様々なバンドでギタリストとしてのキャリアを継続中です。

CATHEDRALは、伝統的なドゥーム・メタルの精神を継承しつつ、ストーナー、プログレッシブ、サイケデリックなどの要素を巧みに融合させたバンドです。その独自の音楽性と、リー・ドリアンのカリスマ的存在感により、今なお多くのリスナーから支持を集め続けています。ドゥーム／ストーナー・メタルを語るうえで、CATHEDRALの存在は欠かせないと言えるでしょう。

バンドメンバー

【現メンバー】
リー・ドリアン（Lee Dorrian） – Vocal（1989～2013）
ギャリー・“ギャズ”・ジェニングス（Garry “Gaz” Jennings） – Guitar（1989～2013）、Bass（1993～1994）、Keyboard（1994～1996）
スコット・カールソン（Scott Carlson） – Bass（1994，2011～2013）
ブライアン・ディクソン（Brian Dixon） – Drums（1994～2013）

【過去メンバー】
アンディ・バーカー（Andy Baker） – Drums（1989）
アダム・レハン（Adam Lehan） – Guitar（1989～1994）
マーク・グリフィス（Mark Griffiths） – Guitar（1989～1990）、Bass（1990～1992）
ベン・モックリー（Ben Mochrie） – Drums（1990）
マイク・スマイル（Mike Smail） – Drums（1991）
マーク・ラムジー・ウォートン（Mike Ramsey Wharton） – Drums（1992～1994）、Keyboard（1992）
レオ・スミー（Leo Smee） – Bass（1994～2011）、Guitar（2010）
デイヴ・ホーニャック（Dave Hornyak） – Drums（1994）